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腰痛と尿漏れ、その意外な関連性

腰痛と尿漏れ。一見すると関連性がないように思えるこの二つの症状ですが、実は深い関係があることをご存知でしょうか？

多くの方が「腰痛は整形外科、尿漏れは泌尿器科」と別々の問題として捉えがちです。しかし、人体の構造を考えると、骨盤底筋という共通の要因が隠れていることが分かります。

骨盤底筋は、骨盤の底に広がる筋肉群で、内臓を支え、尿道や肛門を締める働きをしています。この筋肉が弱まると、尿漏れだけでなく、腰痛の原因にもなるのです。

今回は、腰痛と尿漏れの意外な関係性と、最新の治療法である「スターフォーマー」について詳しくご説明します。

骨盤底筋とは？腰痛と尿漏れの共通要因

骨盤底筋は、恥骨から尾骨にかけて広がる筋肉群です。ハンモックのように骨盤内の臓器を下から支え、尿道・膣・直腸を通す穴を締める役割を担っています。

この骨盤底筋が弱まると、様々な問題が生じます。まず、尿道をしっかり締められなくなるため、咳やくしゃみなどで腹圧が上がった時に尿漏れが起こりやすくなります。これが「腹圧性尿失禁」と呼ばれる症状です。

同時に、骨盤底筋は体幹の安定性にも大きく関わっています。骨盤底筋が弱まると、腰椎への負担が増加し、腰痛の原因となるのです。特に慢性的な腰痛に悩む方の多くは、骨盤底筋の機能低下が見られることが分かっています。

骨盤底筋の筋力の低下は、加齢や出産、長期の座り仕事、運動不足など様々な要因で起こります。特に女性は出産を経験すると、骨盤底筋や靱帯が大きく伸びて弱くなるため、尿漏れや腰痛のリスクが高まります。

男性でも加齢や前立腺の手術後などに骨盤底筋が弱まることがあり、尿漏れや腰痛の原因となることがあるのです。

スターフォーマーとは？最新の磁気治療技術

スターフォーマーは、HITS™（高密度テスラ磁気刺激システム）を採用した最新の医療機器です。強力な磁気の力で筋肉や神経を直接刺激し、骨盤底筋を効果的に強化することができます。

この治療の最大の特徴は、着衣のまま専用の椅子に座るだけで、約30分間に最大5万回もの筋肉運動が行えることです。通常の筋トレでは鍛えにくい深層の骨盤底筋にもアプローチできるため、効率的な筋力強化が可能になります。また、30Hz以上の高頻度の刺激によってテタヌス刺激という筋硬直を起こすため、自力で行う筋力トレーニングに比べ非常に効率的な筋刺激を行う事ができます。血流の改善や神経刺激による神経変調療法の効果を発揮します。

スターフォーマーの磁気パルスは、服や肌、骨を通過して直接筋肉や神経系に働きかけます。そのため、EMSのような表皮の痛みはほとんど感じません。パワー設定も細かく調整できるので、痛みに弱い方でも安心して治療を受けられます。

どうですか？これまでの治療法とは一線を画す革新的な方法だと思いませんか？

スターフォーマーが効果を発揮する症状

スターフォーマーは様々な症状に効果を発揮します。特に以下のような悩みを抱える方に適しています。

• 腹圧性尿失禁：咳やくしゃみ、運動時に尿が漏れる
• 切迫性尿失禁：突然強い尿意を感じ、トイレに間に合わない
• 頻尿・夜間頻尿：何度もトイレに行く必要がある
• 慢性腰痛：長期間続く腰の痛み
• 産後の膣のゆるみ：出産後の骨盤底筋の弱化
• 前立腺手術後の尿漏れ：手術による骨盤底筋への影響
• 勃起不全（ED）：骨盤底筋の弱化が関連する場合

特に、薬物療法で十分な効果が得られなかった方や、手術を避けたい方にとって、スターフォーマーは非侵襲的な選択肢となります。

骨盤底筋の弱化は、加齢とともに誰にでも起こりうる現象です。ある調査によれば、20代女性の半数以上、30代女性の6割以上が尿漏れの経験があるとされています。つまり、尿漏れは加齢現象ではなく、誰にでも起こりうる症状なのです。

腰痛に関しても、日本人の約8割が一生のうちに一度は経験するといわれており、その多くは骨盤底筋を含む体幹筋の弱化が関連しています。

スターフォーマーは、これらの症状に対して根本的なアプローチを可能にする画期的な治療法です。

スターフォーマーの治療効果と作用機序

スターフォーマーの効果は大きく分けて3つあります。筋肉への効果、神経への効果、そして血流改善効果です。

筋肉への効果

スターフォーマーの磁気刺激により、骨盤底筋だけでなく腹筋や背筋などのコアマッスルも同時に鍛えられます。30分の治療で約5万回もの筋収縮が行われるため、通常のトレーニングでは得られない効率的な筋力強化が可能です。

筋力が向上すると、骨盤内臓器のサポート力が高まり、尿道をしっかり締められるようになるため、尿漏れの改善につながります。同時に、体幹の安定性も向上するため、腰椎への負担が軽減され、腰痛の改善も期待できます。

神経への効果

スターフォーマーは座面から主に陰部神経を、背面（背もたれ部分）から主に仙骨神経を刺激します。これにより、仙髄の排尿中枢が刺激され、膀胱排尿筋の異常収縮が解消されて過活動膀胱の改善につながります。

また、背面からの刺激は腰部の神経にも作用し、腰痛の緩和効果をもたらします。神経系への適切な刺激は、痛みの伝達を抑制する効果もあるため、慢性的な腰痛の軽減に役立ちます。

血流改善効果

磁気刺激による筋収縮は、局所の血流を促進します。血流が改善されると、筋肉や神経への酸素や栄養の供給が増加し、老廃物の排出も促進されます。これにより、筋肉の疲労回復が早まり、痛みの軽減にもつながります。慢性前立腺炎や慢性骨盤痛といった効果的な治療法がない症状も改善が期待出来ます。

さらに、血流改善は冷え性やむくみの改善、疲労感の軽減にも効果があります。骨盤周囲の血流が良くなることで、骨盤内臓器の機能も向上し、排尿機能の正常化にも寄与するのです。

スターフォーマー治療の実際

スターフォーマーによる治療は、どのように行われるのでしょうか。実際の流れをご紹介します。

治療前の準備

まず、電子機器や磁気を発生する機器（スマートフォンやタブレットなど）を身体または衣服から取り外します。これらの機器は受付でお預かりします。磁気カードもデータが壊れてしまうためポケットなどから取り出しておきます。

治療は着衣のまま行いますので、着替えの必要はありません。ただし、金属を含む装飾品（ネックレスやベルトなど）は外していただくことがあります。

治療の流れ

専用の椅子に座っていただき、医療スタッフが電磁気発生装置のプログラムをセットします。患者さんの症状や体格に合わせて、強度や刺激部位を細かく調整します。

治療が始まると、座面と背面から電磁気が発生し、筋肉が刺激されて収縮を繰り返します。多くの方は「ピクピクする感じ」や「マッサージされているような感覚」を報告しています。痛みを感じる場合は、すぐにスタッフにお伝えください。強度を調整することができます。

1回の治療時間は約30分です。その間、リラックスして座っているだけで構いません。読書や音楽鑑賞などをしながら過ごすことも可能です。

治療後の注意点

治療後は特別な制限はありませんが、十分な水分補給をお勧めします。筋肉運動により代謝が活発になるため、水分を摂ることで老廃物の排出を促進します。

初回の治療後、軽い筋肉痛を感じる方もいますが、これは効果的に筋肉が刺激された証拠です。通常、数日で自然に改善します。

スターフォーマー治療の効果と回数

スターフォーマー治療の効果は個人差がありますが、多くの方が2〜3回目から変化を感じ始めます。症状の改善度合いは、症状の重さや骨盤底筋の状態によって異なります。

一般的には、週に1〜2回の治療を最低8回程度行うことで効果が現れやすくなります。症状が改善した後も、定期的なメンテナンス治療を受けることで、効果を持続させることができます。体調や健康管理のため間隔を空けながら定期的に続けていくこともお勧めです。

スターフォーマーの効果は医学的にも実証されています。磁気刺激療法は尿失禁治療に対して臨床的に効果があると証明され、2019年女性下部尿路症状診療ガイドラインにて推奨グレードA＜行うよう強く勧められる＞に認定されています。欧米では医療機器として認可されており、2024年にはアメリカでFDA認可を取得しています。

また、日本泌尿器科学会や日本排尿機能学会でも、その研究結果が発表されており、医学的に信頼性の高い治療法として認められています。

あなたも長年の尿漏れや腰痛でお悩みなら、スターフォーマー治療を検討してみませんか？

まとめ：腰痛と尿漏れの総合的アプローチ

腰痛と尿漏れは、骨盤底筋の弱化という共通の要因から生じることが多いため、総合的なアプローチが効果的です。スターフォーマーは、その両方に同時にアプローチできる画期的な治療法です。

スターフォーマーの特長をまとめると：

• 着衣のまま30分座るだけで約5万回の筋収縮運動が可能
• 痛みがほとんどなく、副作用のリスクが低い非侵襲的治療
• 骨盤底筋と体幹筋を同時に鍛えられる
• 神経系への刺激により、痛みの軽減や排尿機能の改善が期待できる
• 血流改善効果により、筋肉の回復や機能向上を促進

尿漏れや腰痛は「年齢だから仕方ない」と諦めてしまいがちですが、適切な治療で改善できる可能性があります。症状の改善は、日常生活の質を大きく向上させ、活動範囲を広げることにもつながります。

皆川クリニックでは、泌尿器科専門医による診察のもと、一人ひとりの症状に合わせたスターフォーマー治療を提供しています。尿漏れや腰痛でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

詳しい情報や予約については、皆川クリニック公式サイトをご覧いただくか、お電話でお問い合わせください。

著者情報

皆川真吾

医学博士・泌尿器科学会専門医・指導医

泌尿器内視鏡学会腹腔鏡手術認定医

CVP（接触式前立腺レーザー蒸散術）プロクター

埼玉県出身。平成13年に秋田大学医学部医学科を卒業後、同大学医学部附属病院、虎ノ門病院、NTT東日本関東病院、聖路加国際病院などで研鑽を積み、令和2年に皆川クリニックを開設。泌尿器科専門医として、日々の診療に携わっています。

Best Doctors in Japan 2024-2025にも選出。ベストドクターズ公式サイト：https://bestdoctors.com/japan/

詳しい診療内容や診療時間については、皆川クリニック公式サイトをご覧ください。