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2026.10.26 トピック

頻尿や男性更年期(LOH症候群)にもプラセンタ注射

男性更年期・頻尿にも?

40〜60代男性に知ってほしい「ラエンネック(プラセンタ注射)」という選択肢

「最近、疲れが抜けない」

「以前よりやる気や集中力が落ちた」

「眠りが浅くなった」

「夜中に何度もトイレへ起きる」

「何となく以前のような元気がない」

40代、50代、60代になると、このような変化を感じる男性は少なくありません。

「年齢だから仕方がない」

「仕事が忙しいから疲れているだけ」

と思われがちですが、こうした複数の症状の背景には、男性更年期(LOH症候群)、自律神経の乱れ、睡眠の質の低下などが関係している場合があります。

近年、中高年男性の慢性的な疲労や男性更年期に伴う不調に対する補助的な治療として、ヒト胎盤抽出物製剤「ラエンネック(プラセンタ注射)」が使用されることがあります。

さらに最近では、頻尿・夜間頻尿などの排尿症状についても、プラセンタ療法との関連が注目されています。

今回は、

・男性更年期とは何か
・プラセンタ療法はどのような治療なのか
・頻尿や夜間頻尿との関係
・これまでに報告されているプラセンタ研究
・2026年10月から変更された献血基準

についてご紹介します。

更年期の不調は「一つの症状」ではありません

更年期というと、女性のほてりや発汗をイメージする方が多いかもしれません。

しかし更年期に伴う変化は非常に多彩です。

女性を対象とした更年期研究でも、

・ほてり、発汗
・不眠、眠りの浅さ
・不安、抑うつ
・疲労感
・肩こり、腰痛
・泌尿生殖器症状
・尿失禁

など、さまざまな症状が同時に現れることが示されています。つまり、更年期は単にホルモンの数値だけを見るのではなく、

「疲労」
「睡眠」
「自律神経」
「気分」
「筋肉や関節」
「排尿」

など、身体全体の変化として考える必要があります。この考え方は、男性更年期を理解するうえでも非常に重要です。

男性にも更年期があります

男性更年期は、医学的にはLOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)と呼ばれます。加齢などに伴ってテストステロンが低下することなどを背景として、身体・精神・性機能にさまざまな症状が現れます。男性更年期は女性の閉経のように、ある時期に急激に起こるとは限りません。40代以降、少しずつ進行することも多いため、

「いつから調子が悪くなったのか分からない」というケースも珍しくありません。代表的な症状には、

・疲れやすい
・全身がだるい
・筋力が落ちた
・肩こり、腰痛、関節痛
・発汗、ほてり
・眠りが浅い
・夜中に目が覚める
・やる気が出ない
・集中力が続かない
・イライラする
・気分が落ち込む
・性欲が低下した
・ED
・朝の勃起が減った

などがあります。男性更年期では身体症状だけでなく、精神・心理症状、性機能症状まで幅広くみられます。

ラエンネックとは?

ラエンネックは、ヒト胎盤を原材料として製造される医療用医薬品です。国内で承認されている効能・効果は、「慢性肝疾患における肝機能の改善」です。

ヒト胎盤抽出物には、アミノ酸や低分子ペプチドなど複数の成分が含まれています。慢性肝疾患に対する治療薬として使用されてきましたが、自由診療の領域では、加齢に伴うさまざまな不調に対する補助的治療として使用されることがあります。

ラエンネックは「男性ホルモン注射」ではありません

男性更年期の治療では、症状とテストステロン値などを確認し、必要に応じてテストステロン補充療法が検討されます。

一方、ラエンネックはテストステロンそのものを補充する薬ではありません。ラエンネックにはテストステロンやエストロゲンなどの性ホルモンは含まれておらず、血液中のテストステロンを直接急速に上昇させる治療でもありません。そのため、「男性ホルモンを増やす注射」というよりも、「疲労や自律神経、代謝など身体全体の状態に対する補助的な治療」という位置づけで考える方が分かりやすいでしょう。

男性更年期では「疲労感」に注目

男性更年期の中でも特に多い訴えが、「とにかく疲れが取れない」という症状です。

以前なら一晩眠れば回復していたのに、「朝起きても疲れている」「休日に寝ても体が重い」「夕方になると集中できない」という変化を感じることがあります。

男性更年期を主な対象としたプラセンタ研究では、治療後に男性更年期症状を評価するAMS質問票の身体症状、特に疲労感や筋肉・関節症状などが改善したという報告があります。

一方、テストステロン値そのものには有意な上昇が確認されなかったとされています。この点からも、プラセンタ療法はホルモン補充とは異なる方法で症状に働きかけている可能性が考えられます。

女性の更年期研究でも「疲労・不眠・気分」への効果が報告されています

今回追加した研究では、更年期症状を有する女性76名を対象として、経口のブタ・プラセンタエキスについて検討が行われています。この研究では、簡易更年期指数(SMI)を用いて、

・のぼせ、ほてり
・うつ症状
・疲労感
・不眠
・イライラ
・関節症状

などが評価されました。24週間の投与によってSMIスコアの有意な改善がみられ、症状別の解析でも複数の項目で改善が確認されています。

なお、この研究は女性を対象とした「経口ブタ・プラセンタエキス」の研究であり、男性に対するラエンネック注射の効果を直接証明するものではありません。

しかし、プラセンタ研究では、単一の症状だけではなく、

「疲労」
「睡眠」
「気分」
「筋骨格症状」

など、更年期に伴う複数の症状がまとめて評価されている点は興味深いところです。

そして注目されている「頻尿・夜間頻尿」

もうひとつ、近年注目されているのが頻尿や夜間頻尿などの下部尿路症状です。 中高年になると、「トイレが近くなった」「急に強い尿意が来る」「寝てから2回、3回とトイレへ行く」という悩みが増えてきます。しかし頻尿の原因は単純ではありません。

・前立腺肥大症
・過活動膀胱
・自律神経の乱れ
・膀胱周囲の血流
・慢性的な炎症
・骨盤底筋や支持組織の衰え
・睡眠障害

など、さまざまな要因が関係しています。

プラセンタ治療後に排尿症状が改善した報告

ラエンネックを定期的に投与した臨床報告では、

・排尿回数の減少
・尿意切迫感の軽減
・夜間覚醒回数の減少

などが観察された症例が報告されています。

一方、今回追加した女性の更年期研究でも、泌尿器症状との関連を示す興味深いデータがあります。腹圧性尿失禁を訴える閉経後女性8名に経口ブタ・プラセンタエキスを6か月間投与したところ、尿失禁の程度が治療前より有意に改善しました。8例中6例では症状が消失し、残り2例でも改善がみられたと報告されています。

ただし、このデータも女性の腹圧性尿失禁に対する経口ブタ・プラセンタの小規模研究です。男性の頻尿に対するラエンネック注射と同一視することはできませんが、「プラセンタと泌尿器症状との関連」について研究されてきたことを示す一つの参考データと考えられます。

なぜ頻尿に影響する可能性があるのでしょうか?

排尿は、「膀胱に尿がたまったら出す」というだけの単純な仕組みではありません。

膀胱、前立腺、骨盤底筋、脳、自律神経などが複雑に協調して排尿をコントロールしています。現在、プラセンタが排尿症状に影響する可能性については、複数の作用が考えられています。

1.自律神経のバランス

尿をためることと排尿することは、自律神経によって調節されています。加齢やストレス、睡眠不足などによって自律神経のバランスが崩れると、まだ膀胱に十分な尿がたまっていなくても強い尿意を感じることがあります。プラセンタの自律神経調整作用が、過敏になった排尿反射に影響する可能性が考えられています。

2.骨盤底筋や支持組織

加齢とともに骨盤底筋やその周囲の支持組織も衰えていきます。こうした変化は、頻尿や尿失禁などの排尿トラブルに関係します。プラセンタに含まれる成分による組織修復や微小循環への作用が、骨盤周囲組織の維持に関係する可能性が考えられています。女性の研究で尿失禁の改善が報告されていることも、このような作用を考えるうえで興味深い結果です。

3.膀胱・前立腺周囲の血流や炎症

膀胱周囲の慢性的な微小炎症や血流低下は、膀胱の知覚神経を過敏にする原因の一つです。男性では前立腺肥大に伴う周囲組織のうっ血や血流障害も、排尿症状に影響する可能性があります。ラエンネックの抗炎症作用や局所の微小循環に対する作用が、このような症状に関係している可能性が考えられています。

4.「尿意で起きる」のではなく「起きるからトイレに行く」?

夜間頻尿では、睡眠も重要です。夜中にトイレへ行く方すべてが、「尿がたくさん作られたから目が覚めた」わけではありません。実際には、

眠りが浅い
↓
夜中に目が覚める
↓
膀胱に少し尿があることを感じる
↓
トイレへ行く

という場合もあります。

つまり、「尿意で目が覚めた」のではなく、「目が覚めたため尿意を意識した」というケースです。

夜間頻尿には睡眠障害による二次的な頻尿が含まれることがあり、睡眠状態が改善することで夜間の排尿回数も減る可能性が指摘されています。

「疲労・睡眠・頻尿」はつながっているかもしれません

40代以降の男性では、

疲労
↓
ストレス
↓
自律神経の乱れ
↓
眠りが浅くなる
↓
夜中に目が覚める
↓
トイレへ行く
↓
睡眠時間がさらに減る
↓
翌日の疲労が強くなる

という悪循環になっていることがあります。そのため、

「疲れ」「男性更年期」「睡眠」「夜間頻尿」

をすべて別々の問題として考えるよりも、身体全体のコンディションとして評価することが重要です。これは、更年期にさまざまな症状が同時に現れるという従来のプラセンタ研究の考え方とも一致します。

頻尿は「まず原因を調べる」ことも大切です

注意していただきたいのは、「頻尿ならプラセンタ注射をすればよい」というわけではないことです。

頻尿・夜間頻尿の背景には、

・前立腺肥大症
・過活動膀胱
・糖尿病
・尿路感染症
・夜間多尿
・睡眠障害

など、さまざまな原因があります。特に、

・尿が出にくい
・尿の勢いが弱い
・排尿時に痛みがある
・血尿がある
・急に頻尿になった

といった場合には、まず原因を確認することが大切です。基本的に泌尿器科疾患についての検査を行い、その上で男性更年期症状(LOH症候群)の可能性について考慮します。

プラセンタ注射の「献血制限」が変わりました

プラセンタ注射について、これまで患者さんからよく聞かれていた質問があります。

「プラセンタ注射を一度すると、一生献血できなくなるんですよね?」

以前は、ラエンネックやメルスモンなどヒト胎盤由来のプラセンタ注射を使用した方について、期間を定めず献血を控えるという基準が設けられていました。そのため、「献血できなくなるなら治療を受けたくない」と考えていた方もいらっしゃいました。しかし、この献血基準が変更されています。

2026年10月1日から、最終投与3か月後に献血可能に

2026年10月1日からは、「プラセンタ注射の最終使用日から3か月間は献血を控える」という基準になりました。

つまり、「一度プラセンタ注射を受けると、その後ずっと献血できない」という従来の扱いではありません。最終投与から3か月経過すれば、プラセンタ注射歴だけを理由とする献血制限は解除されます。

ただし、定期的にプラセンタ注射を続けている場合には、注射のたびに最終使用日が更新されます。そのため、治療を継続している期間中は実質的には献血できません。また、健康状態、服用薬、海外渡航歴など、ほかの献血基準によって献血できない場合もあります。最終的な献血の可否は、献血時の問診および健診医の判断となります。

プラセンタ療法は「女性の美容注射」だけではありません

プラセンタ注射というと、「美容目的の女性向け注射」というイメージを持っている方も多いかもしれません。

しかし、ラエンネックは慢性肝疾患における肝機能改善を目的として承認されている医療用医薬品です。また、プラセンタに関する研究は美容だけではなく、

・更年期症状
・疲労
・睡眠
・気分
・肩こりや関節症状
・排尿に関する症状

など、さまざまな領域で行われています。今回追加した研究でも、更年期に伴う複数の症状が同時に改善する可能性について検討されています。

当院のラエンネック(プラセンタ)治療について

ラエンネックの国内で承認されている効能・効果は、「慢性肝疾患における肝機能の改善」です。

男性更年期、慢性的な疲労、睡眠、頻尿・夜間頻尿などを目的として使用する場合は、国内で承認された効能とは異なる適応外使用となり、自由診療となります。

また、これまでご紹介したプラセンタ研究には、

・ラエンネック注射を使用した研究
・ヒト胎盤抽出物に関する研究
・女性を対象とした研究
・経口ブタ・プラセンタエキスを使用した研究

などが含まれており、すべてが男性に対するラエンネック注射の効果を直接示したものではありません。プラセンタ治療による効果には個人差があり、すべての男性更年期症状や頻尿の改善を保証するものではありません。

当院では、現在の症状や既往歴、前立腺疾患の有無、睡眠障害や睡眠時無呼吸症候群の有無など、さまざまな症状を確認したうえで、治療が適しているかを判断します。

「年齢のせい」と思っていた不調、一度ご相談ください

「疲れが抜けなくなった」

「以前のような気力がない」

「眠りが浅くなった」

「夜中に何度もトイレへ起きる」

こうした症状は、一つひとつを見ると「年齢のせい」に思えるかもしれません。

しかし、複数の症状が同時に起きている場合には、男性更年期、自律神経、睡眠、排尿機能などが互いに影響している可能性があります。

「男性更年期なのか知りたい」

「夜間頻尿がつらい」

「プラセンタ注射について相談したい」

「男性ホルモン治療以外の方法も知りたい」

という段階でも構いません。年齢だからとあきらめる前に、一度ご相談ください。

現在の症状を整理し、その方に合った治療方法を一緒に検討していきます。

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