【2026-2027年最新】インフルエンザワクチン、注射と鼻スプレー(フルミスト)どっちを選ぶ?受験生のスケジュールや併用についても解説!
インフルエンザワクチンの適切な摂取時期と選択
こんにちは。今回は、皆さんが毎年悩まれるインフルエンザワクチンについてのお話です。
「今年は鼻スプレーのワクチン(フルミスト)が本格導入されたって聞いたけれど、注射とどちらが良いのでしょうか。」 「受験生の子供には、注射とフルミストの両方を受けさせたほうが安心?」 このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、令和8年度(2026/27シーズン)の最新情報を踏まえ、注射ワクチンとフルミストの違い、受験生におすすめの選択や接種時期、注意点について分かりやすく解説します。[1, 2]
1. 令和8年度(2026/27シーズン)のインフルエンザワクチンの現状
今シーズンのインフルエンザワクチンには、いくつか重要なポイントがあります。
- ワクチン株がすべて一新されました インフルエンザワクチンは毎年、世界保健機関(WHO)などの推奨に基づき、流行が予想されるウイルス株を配合します。令和8年度は、ワクチンに含まれる3つの株すべてが前シーズンから新しく変更されました(A/H1N1亜型、A/H3N2亜型、B型ビクトリア系統の3価ワクチン)[1, 4, 5]。これにより、今年の流行に対してより適した効果が期待されています。
- 高齢者向けの新型ワクチンは導入延期に 75歳以上の高齢者向けに予定されていた「高用量4価HAワクチン」は、供給体制の遅れなどから今シーズンの実用化が見送られました[1]。
- 今シーズンの選択肢は「2つ」 そのため、今シーズン一般の皆さまが医療機関で選べる選択肢は、従来の実績ある「皮下注射用不活化HAワクチン」と、鼻にスプレーするタイプの「経鼻弱毒生ワクチン(フルミスト)」の2種類となります[1]。
- 流行の早期化に注意が必要 近年、夏や秋の早い段階からインフルエンザの集団感染が発生するなど、流行開始が早まる傾向にあります[1]。早めの対策を考えておくことが大切です。
2. 「注射」と「フルミスト(鼻スプレー)」の違い
注射とフルミストは、投与方法だけでなく、体へのアプローチ方法(免疫の作り方)や対象年齢、副反応などが異なります[1, 2, 3]。
| 比較項目 | 注射(不活化HAワクチン) | 鼻スプレー(フルミスト) |
|---|---|---|
| 接種方法 | 通常は腕への皮下注射[3] | 左右の鼻腔へスプレーを吹き付ける[3] |
| ワクチンの仕組み | 感染力をなくした(不活化)ウイルスの表面成分のみを使用。体内でウイルスが増えることはありません[3]。 | 病原性を極限まで弱めた生きたウイルスを使用。鼻やのどの粘膜で一時的にごくわずか増殖し、自然感染に近い免疫をつくります[3]。 |
| 対象年齢 | 生後6か月以上の全年齢[3] | 2歳以上19歳未満(19歳以上は国内では適応外)[3] |
| 接種回数 | 13歳未満は2回、13歳以上は原則1回[1, 2] | 年齢にかかわらず1シーズンに1回のみ[3] |
| 主な副反応 | 接種した場所の赤み、腫れ、痛み、数%に発熱[3] | 鼻水、鼻づまり、咳、のどの痛み、微熱など[3] |
| 効果の持続期間 | 接種後約2週間〜約4〜5か月[1, 2] | 接種後約2週間〜約6か月から最長1年[2, 3] |
| 費用相場(任意接種) | 1回 3,000円〜4,500円程度[2] | 1回 7,000円〜10,000円程度(1回で完了するため注射2回分と同等)[2] |
※費用は自費診療(任意接種)のため医療機関によって異なりますが、一般的な目安です[2]。
どちらの方が効果があるのでしょうか。
「鼻スプレーのほうが粘膜にも免疫ができるからよく効くの?」と聞かれることがあります。たしかにフルミストは鼻の粘膜に「分泌型IgA抗体」というバリアをつくりますが、日本小児科学会は「どちらか一方が明らかに優れているとは言えない」としています[2]。
- 注射:血液中の抗体を増やし、ウイルスが肺などに広がるのを防ぐため、「重症化(肺炎や脳症など)を防ぐ力」に優れています[1, 2]。
- フルミスト:ウイルスの侵入口である鼻やのどで感染をブロックするほか、ウイルスが少し変化(抗原変異)しても免疫が働きやすいという強みがあります[2]。
どちらのワクチンにもそれぞれ異なる強みがあるため、優劣ではなく、お子様の年齢や体質、ライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です[2, 3]。
3. 受験生のインフルエンザ対策:何を選ぶ?いつ受ける?
受験生にとっては、インフルエンザにかかることによる学習の遅れや試験当日の体調不良は絶対に避けたいもの。戦略的なスケジュール管理が重要です[2, 6]。
受験生へのおすすめの選び方
- 19歳以上の受験生(浪人生など): フルミストは国内承認が「19歳未満」と決まっているため、自費診療であっても受けることができません。注射(1回)が原則的な選択肢となります[2, 3]。
- 2歳以上19歳未満の受験生(小学生・中学生・高校生): どちらも良い選択肢です[2, 3]。
- 注射の痛みに強い恐怖心があるお子さんや、13歳未満で「2回も注射のために通院するのは勉強のスケジュール的に厳しい」という場合は、1回で完了し、かつ効果が長持ち(最長1年)するフルミストがとても実用的です[2, 3]。
- ただし、日常的に吸入薬などを使っている喘息持ちのお子さんは、フルミストによって気道が刺激され発作が出る恐れがあるため、注射を選ぶのが安心です[2]。
接種のベストタイミングは?(試験日から逆算!)
ワクチンを接種してから体内で十分に免疫がつくまで、約2週間かかります[2, 6]。さらに、フルミストは接種後3〜7日を中心に、風邪のような副反応(鼻水、咳、のどの痛みなど)が出ることがあります[3]。 これらが大事な模試や試験の当日に重なるのは避けたいところです。
そのため、1月中旬の大学入学共通テストや中学・高校入試の本番時に免疫をマックスにし、かつ副反応の心配を完全になくすには、「10月中旬から11月上旬(遅くとも11月中旬まで)」に接種を完了することが最も推奨されます[2, 6]。
- 13歳未満で注射の場合:1回目を10月上旬、2回目を11月上旬に受けるのがベストです[2]。
- 13歳以上で注射、またはフルミストの場合:10月〜11月中に1回受ければ完了です[2]。
家族全員で守る「コクーン戦略(防護包囲網)」
受験生本人がワクチンを打っても、周囲からウイルスを持ち込まれては大変です。 同居する親御さんや、保育園・学校などに通うご兄弟も含め、ご家族全員が11月上旬までにワクチン接種を済ませることが、受験生を守る上で最も効果的な方法(コクーン戦略)になります[2]。
4. 注射とフルミスト、両方受ける(併用する)必要はある?
「両方受ければ、血液の免疫も鼻の免疫もダブルで強くなって最強なのでは?」と考える方もいらっしゃいます。
しかし、日本小児科学会などのガイドラインでは、同じシーズン内に両方を重複して受けることは推奨されていません[2]。
- 追加の効果を示すデータがありません 両方を受けたからといって、片方だけの場合よりさらにインフルエンザにかかりにくくなったり、学校を休まなくなったりするという医学的な根拠(エビデンス)はありません[2]。
- 副反応のリスクが高まります 注射による腫れや痛みと、フルミストによる鼻水やのどの痛みといった副反応がダブルで発生し、体調を崩しやすくなる恐れがあります[3]。
- 費用が全額自己負担に 多くの自治体で実施されている子供向けインフルエンザワクチンの費用助成は、一般的に「注射かフルミストのどちらか一方のみ」です[1, 7]。両方受けると片方は完全な自己負担となり、合計で1万数千円以上の高額な費用がかかってしまいます。
【唯一の例外(切り替え)】 13歳未満のお子さんで、「1回目の注射で大泣きしてしまい、どうしても2回目の注射が打てそうにない」といった場合のみ、救済措置として2回目をフルミストに切り替えるケースは医師の判断で認められることがあります[2]。 しかし、最初から「効果を上げるため」に両方を計画的に受ける必要はありません。ご自身やお子さんに適した方をどちらか1つ選び、正しく規定回数を受けるのがベストです[2]。
5. 接種する前の大切な注意点
安全に接種を受けていただくために、以下の点をご理解の上、医師にご相談ください。
① フルミストが受けられない方(禁忌)
フルミストは生ウイルスのため、以下の方は受けられません。注射ワクチンを選択してください[2, 3]。
- 重度の免疫不全がある方(先天性・後天性)、抗がん剤などで治療中の方、または無脾症の方[2, 3]
- 過去1年以内に喘息の発作があった、または毎日喘息のコントロール薬を使っている方[2]
- アスピリンなどのサリチル酸系製剤を長期間服用しているお子さん(ライ症候群の発症リスクがあるため)[2, 3]
- 妊娠中の方[2]
- ゼラチンに対する強いアレルギー(アナフィラキシー)がある方[2]
② 周囲に重い病気の方がいる場合の配慮(シェディング)
フルミストを接種したお子さんの鼻からは、最長で3〜4週間、微量の弱毒化したワクチンウイルスが排出されることがあります(シェディング)[3]。 ため、同居家族に「抗がん剤治療中など免疫がひどく低下している方」「生まれたばかりの赤ちゃん(新生児)」「授乳中の女性」がいる場合は、家庭内での伝染を防ぐため、お子さんには鼻スプレーではなく、注射のワクチンを受けさせることが推奨されます[2, 3]。
③ 接種後の検査や体調不良時の注意
- インフルエンザ検査が一時的に陽性になることがあります フルミスト接種後1週間ほどは、鼻の奥にワクチンウイルスが残っているため、インフルエンザの迅速検査を行うと「陽性」と判定される(偽陽性)場合があります[3]。
- 体調が悪いときは自己判断せず受診を 一方で、接種後に本当にインフルエンザウイルスに感染して発熱することもあります。接種後に高い熱が出たり体調を崩したりした場合は、単なる「副反応」と決めつけず、受診してください[3]。その際は必ず、医師に「〇月〇日に注射(またはフルミスト)を接種した」と伝えてください[3]。
- 息苦しさ、全身のひどいじんましん、意識がおかしいなど、万が一の重いアレルギー症状が出た場合は、すぐに救急受診してください[3]。
まとめ
令和8年度は、ワクチン株が刷新され、実績のある「注射」と無痛で持続が長い「フルミスト」の2つの選択肢が揃っています[1]。 受験生のお子さんには、体質や喘息の有無を確認した上で、10月中旬〜11月上旬を目安に、家族全員で接種を終えることをおすすめします[2]。
どちらが適しているか迷われる場合は、ぜひお気軽に当院の医師やスタッフまでご相談ください。万全の準備で、元気に冬を乗り切りましょう!
参照元(情報源)リスト
本文中の数字は、以下の公的機関および専門学会の情報・データに基づいています。
- [1] 厚生労働省:季節性インフルエンザワクチン情報 / 審議会資料 (https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/vaccine/influenza/index.html)
- [2] 日本小児科学会:経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの使用に関する考え方 / インフルエンザ治療・予防指針 (https://www.jpeds.or.jp/society-activities/pediatric-medical-care/vaccination/opinion/20607.html)
- [3] 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA):添付文書(不活化HAワクチン・フルミスト点鼻液)電子添文情報 (https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/430574_631370AR1026_1_06)
- [4] 東京都健康安全研究センター(IDSC):季節性インフルエンザHAワクチン製造株について (https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/flu/flu/vaccine2026/)
- [5] 国立健康危機管理研究機構(旧 国立感染症研究所):インフルエンザワクチン製造株選定の背景 (https://idsc.nih.go.jp/immunization/vaccines/influenza/vaccine-strain/index.html)
- [6] 米国疾病予防管理センター(CDC):インフルエンザ予防接種の有効性および至適接種時期に関する推奨 (https://www.cdc.gov/flu/vaccines/vaccinations.html)
- [7] 京都府医師会:令和8年度インフルエンザに係る定期予防接種及び公的助成について (https://www.kyoto.med.or.jp/kankei/4575.php)