COLUMN

カテゴリー:

コラム

子どもの尿の色・回数が気になる時|小児泌尿器科に相談すべき6つの目安

お子さんのおむつ替えや排尿の際に、「いつもと色が違う気がする」「回数が多すぎるのでは」と不安を感じたことはありませんか。

子どもの尿は健康状態を映す大切なバロメーターです。成長とともに変化するのは自然なことですが、中には注意が必要なサインも存在します。

今回は、小児泌尿器科への受診を検討すべき6つの目安について、専門医の視点から詳しく解説します。

子どもの尿の正常な状態を知る

まず、健康な子どもの尿がどのような状態なのかを理解しておきましょう。

正常な尿の色

健康な子どもの尿は、淡いレモン色やムギワラ色をしています。透明に近い薄い黄色であれば、まったく問題ありません。ただし、薄い黄色は一般的に正常範囲ですが、極端に薄い尿が続き、強いのどの渇きや多尿がある場合は相談しましょう。

また、汗をたくさんかいた日や、水分摂取が少ないときには、尿の色が濃くなることがあります。これは体内の水分が減少し、尿が濃縮されるためです。

年齢別の排尿回数

新生児は膀胱の容量が小さく、おしっこをためることができません。そのため、1回の量は5~10mlとわずかですが、1日に15~20回と頻回です。

成長とともに膀胱が大きくなり、1回の尿量が増えて回数が減っていきます。低月齢では1~2時間に1回、それ以降は2~3時間に1回が正常な目安となります。

ただし、一般的な基準に執着する必要は無く、排尿回数は年齢・水分摂取・発熱・室温などで大きく変わります。新生児は1日数回〜頻回まで幅があり、“普段との差”が大切です。

出典ユニ・チャーム「おしっこの量、回数、色で赤ちゃんの成長と健康チェック!」より参照

においの特徴

母乳やミルクだけを飲んでいる赤ちゃんの尿は、大人の尿よりもにおいが強くありません。

ただし、排尿してから時間が経つとアンモニア臭が強くなります。また、離乳食を始めた後は、食べたものによってにおいが変化することもあります。

受診を検討すべき6つの目安

以下の6つのサインが見られた場合は、小児泌尿器科への受診を検討しましょう。

1. 血尿が疑われる色の変化

赤やオレンジ、茶色、コーラのような褐色の尿は注意が必要です。

これらの色は、尿に血が混じっている「血尿」の疑いがあります。まだら模様に鮮血が混じっている場合もあります。血尿がある場合、膀胱や尿道からの出血、腎臓機能の問題、尿路感染症、腎炎、結石などの可能性が考えられます。

先天性の腎異常が隠れていることもあるため、早めの受診が大切です。

ただし、赤〜茶色の尿は血尿のこともありますが、食事・薬・サプリで色が変わることもあります。判断が難しいため、続く場合は受診をおすすめします。

出典エリエール「新生児のおしっこの色や回数から分かる健康状態のチェックポイント」より参照2. 異常に強いにおい

アンモニア臭が非常に強い場合や、普段と明らかに異なる強いにおいがする場合は、体調不良のサインかもしれません。

尿路感染症や脱水、まれに代謝異常症の可能性があります。夏場に汗をかいて体内の水分量が減ることでにおいが強くなることもありますが、いつもと違う強いにおいには注意してください。

3. 排尿回数の急激な変化

普段よりおしっこが出ていない場合は、脱水症状の可能性があります。

普段より明らかに尿が減った、または6〜12時間以上出ないうえにぐったりしている、口が乾いている、目がうつろになっている、発熱している、嘔吐があるといった症状を伴う場合は、夜間でも救急外来を受診してください。

逆に、回数が増えるだけでなく、尿量が明らかに増え(多尿)、強いのどの渇き(多飲)を伴う場合は、尿崩症や糖尿病などの鑑別が必要です。

体内の水分が尿となってどんどん出て行ってしまうため、お子さんが大量に水分を欲するようになります。

出典エリエール「新生児のおしっこの色や回数から分かる健康状態のチェックポイント」より参照

4. 排尿時の痛みや不快感

お子さんが排尿時に泣く、嫌がる、痛がる様子を見せる場合は、尿路感染症や尿道の炎症の可能性があります。尿路感染症のほか、男児の場合は「亀頭包皮炎(おちんちんの先が赤く腫れる)」、女児の場合は「外陰炎(お股のただれ)」など、皮膚の炎症でおしっこがしみて痛がっていることもよくあります。 いずれにしても、排尿時に泣いたり痛がったりする場合は受診が必要です。

5. 5歳を過ぎても続くおねしょ

5歳以上のお子さんで、週に数回以上のおねしょが続く場合は「夜尿症」と診断されます。 夜尿症は成長とともに自然に治ることも多いですが、小学校に入っても続く場合は、お子さんの自尊心を傷つけないためにも早めの治療が推奨されます。

睡眠中に尿意があっても起きられないこと、睡眠中の膀胱の働きが未熟なこと、ホルモンなどの影響で夜間に尿が作られ過ぎてしまうことなどが原因です。夜尿症は自然と治っていくことが多いですが、医師の指導のもとで生活を改善したり薬を服用したりすることで、より早く治すことができます。

出典キッズドクター「子どものおねしょ(夜尿症)で病院を受診する目安は?」より参照

6. 陰部の異常や発達の遅れ

陰茎が明らかに同年代と比べて小さく見える、陰嚢の発達が乏しい、陰嚢の左右差が大きい、精巣が触れにくいといった場合は、小児泌尿器科への相談が必要です。

停留精巣や尿道下裂などの先天性の状態、まれにホルモン分泌の異常が隠れていることがあります。新生児・乳児期でサイズが気になる場合も、早めに専門医に相談しましょう。

受診のタイミングと準備

気になる症状があれば、早めに受診することが大切です。特に「精巣(睾丸)が袋の中に触れない」場合は、停留精巣の可能性があります。 停留精巣は、将来の機能温存のために1歳前後での手術が推奨されています。「そのうち降りてくるかも」と自己判断して様子を見すぎず、早めに小児泌尿器科にご相談ください。

何科を受診すればよいか

排尿に関する問題は、小児科または泌尿器科を受診しましょう。

小児科を受診する場合は、おねしょや排尿トラブルに詳しい小児科か、既往歴をよく知っているかかりつけ医がおすすめです。かかりつけ医が対応できない場合は、必要に応じて専門病院を紹介されることもあります。

受診前に準備すること

受診の際は、尿の色や便の状態がわかる写真(スマートフォンで撮影したもの)を持参すると、医師が正確に症状を把握できます。また、以下の情報をメモしておくと診察がスムーズに進みます。

  • 症状が始まった時期
  • 排尿の回数と量の変化
  • 尿の色やにおいの変化
  • お子さんの機嫌や食欲の状態
  • 発熱や嘔吐などの他の症状の有無
  • 水分摂取量の変化

オンライン診療の活用

夜尿症などの継続的な受診が必要な場合、オンライン診療も便利です。

自宅から受診できるため、お子さんもリラックスして診察を受けられます。夜間や土日も診察を行っている医療機関もあり、都合の良いときを選んで受診できるのもメリットです。健康保険証と子どもの医療費助成も適用されます。

日常生活での観察ポイント

普段からお子さんの排尿状態を観察することで、異常に早く気づくことができます。

おむつ替えやトイレの際にチェックすること

おむつ替えのたびに、「今日のおしっこはどうかしら」とチェックする習慣をつけましょう。

健康なときのおしっこと、そうでないときのおしっこの違いに気づけるようになってきます。入浴後などリラックス時に、左右差や排尿の様子を確認することも大切です。

水分摂取の管理

適切な水分摂取は、健康な排尿のために重要です。

夏場は特に、汗をたくさんかくため、こまめな水分補給を心がけましょう。水分が不足すると尿の色が濃くなり、においも強くなります。逆に、水分を十分に摂取していれば、尿は薄い黄色で量も適切になります。

体重管理の重要性

皮下脂肪が厚いと、陰部が埋もれて小さく見えることがあります。

適正体重の維持は、正確な観察のためにも大切です。食事と運動のバランスを整え、健康的な成長を支えましょう。

親御さんができるサポート

お子さんの排尿トラブルに対して、親御さんができることがあります。

焦らず見守る姿勢

排尿の問題は、成長とともに改善することが多いものです。

焦らず、お子さんのペースを尊重しながら見守りましょう。サイズや回数について、お子さんをからかったり、過度に心配する様子を見せたりすると、自尊心が傷つく可能性があります。「個人差があるよ」「困ったら先生に相談しよう」と安心させる声かけが大切です。

適切なケアの方法

包皮を無理にむくことは避けてください。

痛み・出血・癒着の原因になります。ケアは専門医の指導に従いましょう。また、家庭での「体操・マッサージ・強い牽引」で大きくする根拠はありません。皮膚トラブルや痛みの原因になるため避けましょう。

心理的サポート

温泉や学校でからかわれないか心配される親御さんも多いでしょう。

体型や温度で一時的に小さく見えることはよくあります。必要なら学校への配慮依頼や心理的サポートも行います。お子さんの気持ちに寄り添い、安心できる環境を整えることが何より大切です。

まとめ

子どもの尿の色や回数は、健康状態を映す大切なバロメーターです。

血尿が疑われる色、異常に強いにおい、排尿回数の急激な変化、排尿時の痛み、5歳を過ぎても続くおねしょ、陰部の異常や発達の遅れという6つのサインが見られた場合は、小児泌尿器科への受診を検討しましょう。

多くの場合、見かけの差や一時的な変化であり、治療を要さないことも少なくありません。しかし、まれに治療が必要な状態が隠れていることもあるため、気になるときは早めに専門医に相談することが大切です。

日頃からお子さんの排尿状態を観察し、異常に早く気づける習慣をつけましょう。適切な水分摂取や体重管理、そして焦らず見守る姿勢が、お子さんの健やかな成長を支えます。

お子さんの排尿に関するお悩みは、専門医に相談することで適切な対応が可能です。不安を感じたら、一人で抱え込まず、気軽に相談してみてください。

詳しい診療内容や受診方法については、皆川クリニックのホームページをご覧ください。泌尿器科専門医として、お子さんの健康をサポートいたします。

 

著者情報

皆川真吾

医学博士・泌尿器科学会専門医・指導医

泌尿器内視鏡学会腹腔鏡手術認定医

CVP(接触式前立腺レーザー蒸散術)プロクター

埼玉県出身。平成13年に秋田大学医学部医学科を卒業後、同大学医学部附属病院、虎ノ門病院、NTT東日本関東病院、聖路加国際病院などで研鑽を積み、令和2年に皆川クリニックを開設。泌尿器科専門医として、日々の診療に携わっています。

Best Doctors in Japan 2024-2025にも選出。ベストドクターズ公式サイト:https://bestdoctors.com/japan/

詳しい診療内容や診療時間については、皆川クリニック公式サイトをご覧ください。

ページトップへ

TOP