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白く濁った尿・白い尿の原因|放置してよいケースと危険なサイン
尿が白く濁るとはどういうこと?
健康な尿は、淡い黄色で透明感があります。
しかし、時に尿が白く濁って見えることがあります。これを「尿混濁」と呼びます。尿混濁は、尿中に本来含まれないはずの物質が混入している状態です。塩類の結晶化、細菌感染による白血球の混入、血液の混入など、さまざまな原因が考えられます。
一度だけの尿混濁であれば、食事の影響や一時的な体調変化の可能性もあります。しかし、何日も続く場合や繰り返し起こる場合は、何らかの病気が隠れている可能性があるため注意が必要です。

放置してもよい尿の濁りとは
食生活による一時的な濁り
特定の食品を過剰に摂取すると、尿が白く濁ることがあります。
ほうれん草やたけのこなどのアクの強い野菜、ココア、バナナ、コーヒーなどに多く含まれる「シュウ酸」を過剰摂取すると、尿中にシュウ酸カルシウムの結晶ができやすくなります。また、野菜や海藻類、果物などを多く摂取したりすると、リン酸塩が結晶化し濁りの原因となることがあります。このような食事由来の尿白濁は、基本的に心配する必要はありません。ただし、結石リスクが高い状態であるため、食生活を見直すことが大切です。
女性特有の濁り
女性の場合、おりものや経血が尿に混じることで濁って見えることがあります。
生理的なおりものであれば問題ありませんが、おりものの量が異常に多い、色やにおいが気になるといった場合は、婦人科系の病気(カンジダ腟炎など)の可能性があるため注意が必要です
ただし、女性は膀胱炎を起こしやすいため、尿の濁りが続く場合は放置せず、医療機関を受診することをおすすめします。
注意が必要な尿の濁り
細菌感染による濁り
病気による濁り原因の多くの場合「膿(うみ)」です。医学的には「膿尿(のうにょう)」と呼ばれ、尿路(腎臓・膀胱・尿道)のどこかで細菌感染が起きていることを示します。
膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎などの尿路感染症では、白血球や細菌が尿に混入するため、尿が白く濁ります。排尿時の痛み、発熱、血尿などの症状を伴うことが多く、抗生物質による治療が必要です。とくに、腎盂腎炎は細菌が膀胱から腎臓まで遡り、腎臓自体が炎症を起こしている状態です。緊急性が高く、入院治療が必要になることもあります。
感染を起こす一因として水分不足も考えられます。普段から食事以外に1.0~1.5リットル程度の水分摂取を心がけましょう。尿を我慢しすぎると細菌が増える原因になります。
血尿による濁り
肉眼では赤く見えない程度の血液が混ざることでも、尿が白濁して見えることがあります。
尿路結石や細菌感染による炎症で尿路が傷つくと、血尿が起こります。また、膀胱がんや前立腺がんなどの悪性腫瘍でも血尿が生じることがあります。血尿は目で見て分かる「肉眼的血尿」と、顕微鏡で見てはじめて分かる「顕微鏡的血尿」がありますが、いずれも放置することは危険です。

尿の濁りを起こす主な疾患
腎臓結石・尿管結石
シュウ酸やリン酸、尿酸などが過剰になると、カルシウムと結合して結晶化し、石のような固まりの結石ができます。
腎臓でできた結石が尿管に下りてくると、狭い尿管の粘膜を傷つけるため、血尿が出ることがあります。また、結石の成分である結晶が出ていたり、感染尿になると濁ります。背中やわき腹にいきなり激痛が起こることもあり、冷や汗や吐き気、嘔吐を伴うこともあります。
腎盂腎炎
腎臓に細菌感染を起こして炎症を起こしている状態です。
尿に白血球が多く混じるようになるため、尿が白濁します。排尿痛、高熱、血尿、背中や腰の痛み、吐き気、嘔吐などの症状が現れることもあります。免疫力低下や繰り返す膀胱炎によって感染が広がって起こることがあり、女性に多くなっています。
急性膀胱炎
代表的な症状は、トイレの回数が増える頻尿、排尿の最後に起こる鋭い痛み、尿混濁や血尿などです。
主な原因は、尿道口から侵入した細菌が膀胱粘膜に感染して炎症を起こすことです。尿道が短い女性に多い病気で、ホルモンバランスや疲労、ストレス、更年期に伴う粘膜の萎縮などで何度も繰り返す方もいます。間質性膀胱炎では尿がたまった際に痛みが生じるケースがあり、慢性膀胱炎では排尿痛がほとんどないこともあります。
尿道炎
主な原因は性交渉による淋菌やクラミジア菌などの感染で、男性に多く、尿道に急性の炎症が起こっている状態です。
排尿痛や膿が混ざって尿が白濁する症状が現れます。淋菌やクラミジア菌は性感染症ですから、症状がないパートナーの方も治療が不可欠です。尿道炎は放置していると尿道が狭窄して排尿できなくなることもあります。
淋菌感染症
淋菌という細菌によって起こる性感染症です。
男性の場合は尿の出初めに強い痛みがあり、尿に黄色い膿が混ざるため尿の白濁も起こります。女性が感染した場合は、感染数日後に外陰部の痒みやおりものがある程度で自覚症状がほとんどないため、感染に気付かず慢性化するケースが多くなっています。妊娠している時に感染していると新生児にも感染して結膜炎による失明の可能性もあります。
性器クラミジア感染症
クラミジアという細菌によって起こる性感染症で、男性では尿の出初めに軽くしみるような痛みがあり、薄い色の膿が少量出て尿が白濁することがあります。
女性の性感染症で最も多いのですが、自覚症状がほとんどなく感染に気付かないことがよくあります。約80%が無症状との報告もあります。感染後1~3週間でおりものの増加や下腹部の痛み、不正出血などの症状が出ることもあります。感染が子宮から卵管に広がると卵管炎となり、骨盤まで広がると骨盤内炎症性疾患となることもあります。不妊症の原因になったり、母子感染して赤ちゃんが重度の肺炎や結膜炎を起こしたりする危険性があるため、注意が必要です。
こんな症状があったら早めに受診を
以下のような症状を伴う尿の濁りがある場合は、早めに泌尿器科を受診することをおすすめします。
- 排尿時に痛みを感じる
- 急に頻尿になった、残尿感がある
- 尿に血が混じっている
- 熱がある、腰や背部に痛みを感じる
- 尿の泡立ちがなかなか消えない
- 尿道から膿が出る
- 夜中2回以上トイレに立つ
尿の濁りは、体からの何らかのサインかもしれません。
特に、排尿時の痛みや発熱、血尿などの症状を伴う場合は、すぐに医療機関を受診してください。また、症状がなくても尿の濁りが続く場合は、早期発見のためにも検査を受けることが大切です。

尿の濁りを予防するために
適切な水分摂取
水分不足は尿路感染症の一因となります。
普段から1.0~1.5リットルは食事以外での水分摂取を心がけましょう。十分な水分を摂取することで、尿が薄まり、細菌が膀胱に留まる時間が短くなります。また、尿路結石の予防にもつながります。
食生活の見直し
シュウ酸を多く含む食品の過剰摂取は控えめにしましょう。
ほうれん草、たけのこなどのアクが強い野菜、バナナ、コーヒー、紅茶、ココアなどに含まれるシュウ酸は、尿中にシュウ酸カルシウムの結晶を作りやすくします。カルシウムを一緒に摂取することでシュウ酸の吸収を減少刺せることが出来ます。腸内でシュウ酸とカルシウムが結合し、便として排出されるため、尿路結石のリスクが下がります。
また、クエン酸やマグネシウムを多く摂取することで、シュウ酸などの濃度低下につながります。果物(柑橘系)などに多く含まれているため、できる限り多めに摂取しましょう。
また、プリン体を多く含む食品(ビールなどのアルコール、レバー、魚卵など)を控えることも大切です。尿酸カルシウムが多い状態が続くと、尿管結石の原因となることもあります。
排尿・排便習慣の見直し
排尿を我慢しすぎないことが大切です。
膀胱に尿が長時間留まると、細菌が繁殖しやすくなります。トイレに行きたくなったら我慢せず、こまめに排尿するよう心がけましょう。また、便秘も尿路感染症のリスクを高めるため、規則正しい排便習慣を保つことも重要です。
まとめ
尿が白く濁る原因には、食生活による一時的なものから、細菌感染や結石、悪性腫瘍まで、さまざまなものがあります。
一過性で他の症状を伴わない尿白濁であれば、様子を見てもよい場合もあります。しかし、尿の濁りが続く場合や、排尿時の痛み、発熱、血尿などの症状を伴う場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。
尿は体からの重要なサインです。日頃から尿の色や状態を観察し、異常を感じたら放置せず、専門医に相談しましょう。
皆川クリニックでは、泌尿器科専門医として、頻尿や尿漏れといった排尿のお悩みから、尿路感染症、尿路結石症、前立腺肥大症まで、幅広く対応しております。もっと気軽に相談できて安心していただけるクリニックを目指しておりますので、お悩みの方はお気軽にご相談ください。
詳しくは、皆川クリニックの公式サイトをご覧ください。
著者情報
皆川真吾
医学博士・泌尿器科学会専門医・指導医
泌尿器内視鏡学会腹腔鏡手術認定医
CVP(接触式前立腺レーザー蒸散術)プロクター
埼玉県出身。平成13年に秋田大学医学部医学科を卒業後、同大学医学部附属病院、虎ノ門病院、NTT東日本関東病院、聖路加国際病院などで研鑽を積み、令和2年に皆川クリニックを開設。泌尿器科専門医として、日々の診療に携わっています。
Best Doctors in Japan 2024-2025にも選出。ベストドクターズ公式サイト:https://bestdoctors.com/japan/
詳しい診療内容や診療時間については、皆川クリニック公式サイトをご覧ください。

