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オレンジ色の尿は危険信号?原因と対処法を徹底解説
オレンジ色の尿が出る原因とは?
「あれ?今日のおしっこ、なんだかオレンジ色っぽい…」
トイレで自分の尿の色を見て、こんな疑問を持ったことはありませんか?普段何気なく流してしまうおしっこですが、実はその色には私たちの健康状態が映し出されているのです。尿の色は健康のバロメーターとも言えるもので、普段と違う色になっていると、体からの重要なメッセージかもしれません。

正常な尿の色は薄い黄色です。これは尿中に含まれるウロビリンという物質の色によるものです。ウロビリンは血液中の赤血球が壊れる過程で生成されるビリルビンが、さらに腸内細菌によって分解されてできる物質なのです。
では、尿がオレンジ色になる原因には、どのようなものがあるのでしょうか?大きく分けると「生理的な原因」と「病的な原因」があります。
生理的な原因(心配の少ないもの)
オレンジ色の尿が出る原因の中で、比較的心配の少ないものをご紹介します。
まず最も多いのが、脱水状態です。水分摂取が少なかったり、大量に汗をかいたりすると、体内の水分が減少します。すると腎臓は尿を濃縮して水分を体内に留めようとするため、尿の色が濃くなりオレンジ色に見えることがあります。

特に夏場や激しい運動の後、また風邪などで発熱した際には、尿が濃い黄色〜オレンジ色になりやすいものです。
次に多いのが、食べ物や飲み物、サプリメントの影響です。
ビタミンB2(リボフラビン)を多く含むサプリメントや栄養ドリンクを摂取すると、尿がオレンジ色や黄色に変わることがよくあります。オロナミンCやアリナミンなどの栄養ドリンクを飲んだ後に、鮮やかな黄色い尿が出た経験がある方も多いのではないでしょうか。
また、ニンジンやカボチャなどのオレンジ色の野菜に含まれるベータカロチンを大量に摂取した場合も、尿の色がオレンジ色になることがあります。
これらの生理的な原因による尿の色の変化は、通常は心配する必要がありません。水分をしっかり摂取したり、原因となる食品やサプリメントの摂取を控えれば、尿の色は自然と元に戻ります。

病的な原因(注意が必要なもの)
一方で、オレンジ色や茶褐色の尿が出る場合、以下のような病気の可能性も考えられます。
肝臓の異常によるビリルビン尿です。肝機能が低下すると、ビリルビンを胆汁として腸に排出できなくなり、血液中のビリルビンが増加します。すると尿中にもビリルビンが混じり、オレンジ色〜茶褐色の尿になります。
ビリルビン尿の特徴として、泡立ちやすく、その泡も同じような色をしていることが挙げられます。また、皮膚や白目が黄色くなる黄疸を伴うこともあります。
もう一つ注意が必要なのが、筋肉が大量に壊れた時に起こるミオグロビン尿です。激しい運動や事故などで筋肉が損傷すると、筋肉に含まれるミオグロビンという物質が尿に混じり、茶褐色の尿になります。
ミオグロビン尿は赤ワインに似た色をしており、急性腎不全を引き起こすリスクがあるため注意が必要です。
オレンジ色の尿と一緒に現れる症状に注目
尿の色だけでなく、一緒に現れる症状にも注目することが大切です。
オレンジ色の尿と共に以下のような症状がある場合は、すぐに医療機関を受診することをお勧めします。体からの重要な警告サインかもしれません。

黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
オレンジ色の尿と同時に、皮膚や白目(眼球結膜)が黄色くなる黄疸の症状がある場合は、肝臓や胆道系の病気が疑われます。
黄疸は血中のビリルビンが増加することで起こります。肝炎や肝硬変、胆石などによって胆汁の流れが悪くなると、ビリルビンが血液中に逆流し、皮膚や粘膜が黄色く染まるのです。
黄疸に加えて、皮膚のかゆみを伴うこともあります。このような症状がある場合は、早急に医療機関を受診してください。
筋肉痛や筋力低下
激しい筋肉痛や筋力低下と共にオレンジ色〜茶褐色の尿が出る場合は、横紋筋融解症の可能性があります。
横紋筋融解症は、筋肉が急速に壊れ、その内容物が血液中に放出される状態です。筋肉から放出されたミオグロビンは腎臓に負担をかけ、急性腎不全を引き起こす危険があります。
激しい運動の後や、長時間同じ姿勢で倒れていた場合(特に高齢者)、また一部の薬剤の副作用としても起こることがあります。
発熱や排尿時の痛み
オレンジ色の尿に加えて、発熱や排尿時の痛み、頻尿などの症状がある場合は、尿路感染症の可能性があります。
尿路感染症では通常、尿が濁ったり、血尿が混じったりすることがありますが、脱水状態と重なると、オレンジ色に見えることもあります。
特に高齢者では、尿路感染症の典型的な症状が現れにくいことがあるため、尿の色の変化は重要なサインとなります。
オレンジ色の尿を発見したらどうすべき?
オレンジ色の尿を発見したら、まずは慌てないことが大切です。
一時的な脱水や食べ物、サプリメントの影響であれば、特に心配する必要はありません。しかし、適切な対応をすることで、重大な病気の早期発見につながる可能性もあります。
すぐにできる対処法
まず最初に試してほしいのが、水分補給です。
脱水が原因でオレンジ色の尿が出ている場合、十分な水分を摂取することで尿の色は通常の薄い黄色に戻ります。特に暑い日や運動後、発熱時には意識的に水分を摂るようにしましょう。

次に、最近摂取した食品やサプリメントを思い出してみましょう。ビタミンB2を多く含む栄養ドリンクやサプリメント、ベータカロチンを多く含む食品などを摂取していた場合は、それが原因かもしれません。
これらの対処をしても尿の色が改善しない場合や、他の気になる症状がある場合は、医療機関を受診することをお勧めします。
医療機関を受診すべきケース
以下のような場合は、泌尿器科や内科を受診しましょう。
- 水分をしっかり摂っても尿の色が改善しない
- 皮膚や白目が黄色い(黄疸)
- 尿の色の変化に加えて、発熱や腹痛、背部痛がある
- 排尿時の痛みや頻尿がある
- 激しい筋肉痛や筋力低下を伴う
- 尿の色が濃い赤褐色や黒っぽい
特に高齢者や基礎疾患のある方は、尿の色の変化を軽視せず、早めに医療機関を受診することが大切です。
医療機関での検査
医療機関では、まず尿検査が行われます。尿中の赤血球や白血球、タンパク質、糖などを調べることで、尿路感染症や腎臓の異常などを確認します。
また、必要に応じて血液検査も行われ、肝機能や腎機能、筋肉の状態などが調べられます。
さらに詳しい検査が必要な場合は、超音波検査やCT検査などの画像検査が行われることもあります。
オレンジ色の尿を予防するには
オレンジ色の尿の多くは、適切な生活習慣によって予防することができます。
まず最も重要なのが、十分な水分摂取です。一日に1.5〜2リットルの水分を摂ることを目標にしましょう。特に暑い日や運動時、発熱時には、意識的に水分を補給することが大切です。
水分が足りているかどうかは、尿の色でチェックできます。健康な状態では、尿は薄い黄色をしています。尿が濃い黄色やオレンジ色になっている場合は、もっと水分を摂る必要があるサインです。
バランスの良い食事と適度な運動
肝臓や腎臓の健康を維持するためには、バランスの良い食事と適度な運動が欠かせません。
特に肝臓に負担をかける過度のアルコール摂取や高脂肪食は控えめにし、野菜や果物、良質なタンパク質をバランスよく摂りましょう。
また、適度な運動は血液循環を促進し、体の代謝機能を高めます。ただし、激しすぎる運動は筋肉を損傷させる可能性があるので、自分の体力に合った運動を心がけましょう。
定期的な健康診断
尿の色の変化は、体からの重要なサインです。しかし、中には自覚症状がないまま進行する病気もあります。
定期的な健康診断を受けることで、尿検査や血液検査を通じて、早期に異常を発見することができます。特に40歳を過ぎたら、年に一度は健康診断を受けることをお勧めします。
まとめ:尿の色は健康のバロメーター
尿の色は私たちの健康状態を映し出す重要なサインです。オレンジ色の尿が出る原因は、単なる脱水や食べ物の影響から、肝臓や腎臓の病気まで様々です。
オレンジ色の尿を発見したら、まずは十分な水分を摂り、最近の食事やサプリメントの摂取状況を振り返ってみましょう。それでも改善しない場合や、他の気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。
日頃から尿の色を観察する習慣をつけることで、体の異変に早く気づくことができます。「見ず(水)に流す」のではなく、自分の健康状態を知るためのバロメーターとして、尿の色の変化に注目してみてください。
健康は何よりも大切な財産です。ちょっとした変化を見逃さず、早期に対処することが、健やかな毎日を送るための第一歩となります。
どうですか?あなたも今日から、トイレでちょっと尿の色をチェックしてみませんか?
著者情報
皆川真吾
医学博士・泌尿器科学会専門医・指導医
泌尿器内視鏡学会腹腔鏡手術認定医
CVP(接触式前立腺レーザー蒸散術)プロクター
埼玉県出身。平成13年に秋田大学医学部医学科を卒業後、同大学医学部附属病院、虎ノ門病院、NTT東日本関東病院、聖路加国際病院などで研鑽を積み、令和2年に皆川クリニックを開設。泌尿器科専門医として、日々の診療に携わっています。
Best Doctors in Japan 2024-2025にも選出。ベストドクターズ公式サイト:https://bestdoctors.com/japan/

詳しい診療内容や診療時間については、皆川クリニック公式サイトをご覧ください。
