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インティマレーザーの適応条件と効果〜専門医が解説する治療の全て

インティマレーザーとは?女性特有の悩みを解決する最新治療法

インティマレーザーは、女性特有のデリケートな悩みを改善するための先進的なレーザー治療です。腟内や外陰部、尿道に照射できる医療用レーザー機器で、エルビウムYAG(エルビウムヤグ)レーザーを使用します。元々はFotona社のSMOOTH™モード治療の一つで、日本では「インティマレーザー」で浸透しています。

腟内および尿道内、外陰部にレーザー照射することで、年齢とともに減少したコラーゲンの産生を促進し、組織をふっくらと再生させる効果があります。また、粘膜の潤い改善効果や血流改善効果も持ち合わせているのが特徴です。スターフォーマー

従来のCO2レーザー治療(モナリザタッチなど)は粘膜表面にダメージを与えて細胞再生を促すため、痛みとダウンタイム(回復期間)が長い傾向がありました。しかし、インティマレーザーはFotona社の独自技術により粘膜表面を傷つけずに粘膜下層へ熱エネルギーを与えることができるため、痛みが少なくダウンタイムも短いという大きなメリットがあります。

インティマレーザーはEr:Yag(エルビウムヤグレーザー)の特殊な照射方法であるSMOOTH™モードを使用します。エルビウムヤグレーザーとCO2レーザーの決定的な違いは水に対する吸収率です。エルビウムヤグレーザーはCO2レーザーの約10倍以上、水に対しての吸収率が高いため、組織への熱ダメージが少なく、回復が早くなります(水への吸収率が低いと組織が焼けます)。また、SMOOTH™モードは、組織にダメージを加えること無く熱をじっくりと伝えることができるため、粘膜を引き締めてコラーゲンと血管の再生を促し、粘膜の若返り効果を発揮します。

当院ではインティマレーザーを行う際に、Gランナーという均一で効果的なレーザー照射を行うデバイスを導入しています。

インティマレーザーが効果的な症状と適応条件

インティマレーザーは様々な女性特有の悩みに対して効果を発揮します。特に以下のような症状に対して高い効果が期待できます。

①尿漏れ(腹圧性尿失禁)

腹圧性尿失禁とは、咳やくしゃみ、ジャンプなどお腹に力が入った瞬間に尿が漏れてしまう状態です。出産や加齢で骨盤底の支持組織が緩むことで起こり、女性に多いお悩みです。

従来は骨盤底筋体操(キーゲル体操)や投薬、重度の場合は手術(TVT手術など)が保険適用で行われてきました。しかし、筋肉トレーニングや内服治療でも改善しない軽度から中等度の尿漏れに対して、インティマレーザー照射は効果的です。

レーザーを照射することで尿道周囲や腟壁を引き締め、尿漏れの頻度軽減が期待できます。麻酔クリームを使用して腟口周辺をしっかり麻酔するため、レーザー照射時の痛みは最小限で、安全に尿失禁治療を受けられます。

②腟の乾燥感・違和感・痛み(GSM症状)

出産後や更年期以降に増える腟の乾燥感や性交時の痛み(性交痛)は、女性ホルモンの低下などで腟粘膜が萎縮し潤いが減ることが原因です。

閉経関連尿路性器症候群(GSM)とも呼ばれるこの症状に対して、保険診療ではエストロゲンクリームの局所使用などが一般的です。インティマレーザーは粘膜にダメージを加えること無く熱刺激を与えることで腟粘膜の組織再生を促し、コラーゲン豊富で潤いのある粘膜へと改善します。

その結果、腟の乾燥が軽減し、性交痛の緩和や違和感の解消につながります。ホルモンを使わない治療なので、ホルモン補充療法が難しい方にも適した選択肢です。

③腟の緩み・お湯漏れ

お風呂上がりにしばらく時間が経過してから腟からお湯や水が漏れ出てしまう症状は「お湯漏れ」と呼ばれています。腟の入口の広がりや中の緩みが原因で起こる症状です。

インティマレーザーは、腟粘膜のコラーゲン生成を促進し、さらに組織を引き締めるため、腟の壁がふっくらと変化して腟管内部の隙間がなくなります。これにより腟圧が上昇することで全体の締まりが良くなり、お湯漏れの症状も緩和できるでしょう。

④ 反復性膀胱炎(繰り返す膀胱炎) 

閉経に伴うエストロゲンの低下によって、膣粘膜の退縮と血流の低下が起こることで腟内環境が変化します。

本来酸性で乳酸菌系の細菌が多く存在し膀胱炎を防ぐ方向に働いていたものが、ホルモンバランスの変化によりアルカリ性に傾き大腸菌などの膀胱炎を引き起こす細菌が増えやすくなることで、膀胱炎を頻発するようになります。

毎月のように膀胱炎に悩まされている方も少なくありません。このような症状にもインティマレーザーは効果的です。腟内環境が改善することにより膀胱炎を引き起こしにくくなります。

⑤骨盤臓器脱(軽度の子宮脱・膀胱瘤など)

出産歴のある女性や高齢の女性では、骨盤内の臓器(子宮や膀胱など)を支える靱帯や筋肉が緩み、子宮脱や膀胱瘤といった軽度の骨盤臓器脱を起こすことがあります。

重度の場合は手術で臓器を元に戻す治療が必要ですが、違和感程度の早期の骨盤臓器脱にはインティマレーザーが有効です。腟壁全体を引き締め厚みをもたせることで、膀胱や子宮を下から支える力が強化され、臓器脱の進行を防ぐ効果が期待できます。

インティマレーザー治療の効果と期待できる改善

インティマレーザーは様々な症状に効果を発揮しますが、具体的にどのような改善が期待できるのでしょうか。研究結果に基づいた効果について詳しく見ていきましょう。

尿漏れの改善効果

インティマレーザーは、尿漏れの中でも特に腹圧性尿失禁の治療に有効です。レーザーを照射することで尿道粘膜を修復し、尿道を支える組織を再構築して尿漏れの症状を緩和します。

研究によれば、軽度から中等度の腹圧性尿失禁を持つ女性の多くで症状の改善が見られています。私もFotonaの学会でお目にかかったイタリアのGambacciani先生らの研究では、114名の軽度から中等度の腹圧性尿失禁を有する女性で症状の改善が確認されました。

ただし、効果の持続期間は個人差があり、一般的には6〜12ヶ月程度とされています。効果を維持するためには、定期的な治療が必要になることがあります。

性交痛の改善と性生活の質向上

インティマレーザーは性交痛の改善にも効果を発揮します。こちらもアルゼンチン出身で高名なGaspar先生らの研究では、閉経後の女性におけるGSMに対するエルビウムYAGレーザー治療の有効性が確認されています。

この研究によると、レーザー治療群では、GSMの症状(性交痛、乾燥感、刺激感、慢性的なおりもの)が18ヶ月後まで有意に改善しました。比較対象のエストリオール局所療法群では6ヶ月後まで改善がみられたものの、12ヶ月後には効果が減弱したことから、レーザー治療のほうがより効果的であることが示されています。

また、組織学的検査では、レーザー治療後に血管新生や結合組織の再構築が認められ、粘膜が実際に厚みを取り戻す効果が表れていることが確認されています。

腟の引き締め効果

腟の緩みやお湯漏れに対する効果も期待できます。インティマレーザーによるコラーゲン生成の促進は、腟壁の厚みと弾力性を回復させ、腟全体の引き締め効果をもたらします。

Vizintin先生らの研究では、Er:YAGレーザー(インティマレーザー)を用いた腟弛緩症候群(ゆるみ)に対する治療効果が検討されており、腟の引き締め効果が確認されています。

腟の引き締めは、単に見た目や感覚の問題だけでなく、骨盤底の機能改善にもつながり、尿失禁や骨盤臓器脱などの予防にも役立つ可能性があります。

インティマレーザー治療の流れと施術方法

インティマレーザー治療は、どのような流れで行われるのでしょうか。実際の施術の流れを詳しく見ていきましょう。

初診・カウンセリング

まず初診時には、医師による詳細な問診と診察が行われます。症状の程度や原因、これまでの治療歴などを確認し、インティマレーザー治療が適しているかどうかを判断します。

この際、治療の目的や期待できる効果、注意点などについて詳しい説明があります。疑問点や不安なことがあれば、遠慮なく質問してください。

また、治療費や回数、スケジュールなどについても説明があります。インティマレーザー治療は自費診療となるため、費用についてもしっかり確認しておくことが大切です。

施術前の準備

治療に際して特別な準備はありません。

レーザーの照射により熱さや痛みを感じる場合があるため、経皮麻酔(麻酔クリーム)を使用します。腟は本来痛みを感じにくい部位であるため、多くの方はほぼ違和感や痛みはありませんが、GSMの症状や炎症がある場合は症状に合わせてレーザーの出力を調整します。

レーザー照射の実際

準備ができたら、医師によるレーザー照射が行われます。照射部位や目的に応じて、照射モードや強度が調整されます。

腟内への照射では、専用のアプリケーターを使用して腟内の膀胱側と360度全体に照射していきます。当院ではG-ランナーというロボティックデバイスを用いることで、レーザーを均一にむら無く照射することが可能になります。尿失禁症状を伴う方は、尿道内のレーザー照射を行います。施術時間は全体で15〜20分程度です。痛みはほとんどなく、あっても軽度の温かさや軽い刺激を感じる程度です。

施術後のケア

施術後は特別な処置は必要なく、その日のうちにシャワーを浴びることも可能です。ただし、施術後3日間はタンポンの挿入や性交渉は控えたほうが良いとされています。

また、効果を最大限に引き出すためには、医師の指示に従った術後のケアが重要です。保湿クリームの使用や骨盤底筋体操などが推奨されることもあります。当院ではレーザー治療後にスターフォーマーによる骨盤底筋トレーニングも体験していただいております。

インティマレーザー治療の費用と回数

インティマレーザー治療は自費診療となるため、費用が気になる方も多いでしょう。一般的な費用相場と必要な治療回数について解説します。

治療費用の相場

インティマレーザーの治療費用は、クリニックや治療部位、症状の程度によって異なります。一般的な相場としては、1回あたり5万円〜15万円程度となっています。

複数回のセットプランを提供しているクリニックも多く、その場合はまとめて申し込むことで割引が適用されることもあります。また、初回限定の特別価格を設定しているクリニックもあります。

当院では、患者さんの症状や希望に合わせた最適な治療プランをご提案しています。費用についてはカウンセリング時に詳しくご説明いたしますので、ご不安な点はお気軽にご相談ください。

推奨される治療回数と間隔

インティマレーザー治療は、一般的に初回治療として3〜5週間間隔で3回程度の施術が推奨されています。これは、コラーゲンの生成と組織の再構築には一定の時間がかかるためです。

研究によれば、3回の治療を30日間隔で行うことで、最大の効果が得られるとされています。Gambacciani先生らの研究では、30日間隔で3回のレーザー治療を実施し、GSM症状の改善効果が確認されています。

ただし、効果の持続期間には個人差があり、一般的には1年程度とされています。効果を維持するためには、年に1〜2回程度のメンテナンス治療が推奨されることもあります。

レーザー治療の詳細についてはこちらから

保険適用について

現在、インティマレーザー治療は保険適用外の自費診療となっています。尿失禁や腟の緩みなどの症状に対しては、保険診療での治療法(投薬や手術など)も存在しますが、保険診療だけでは十分に改善が得られない場合も多くあります。

そのようなケースで、自費診療のインティマレーザー治療や骨盤底筋体操を併用すると高い改善効果が得られることがあります。医師と相談しながら、最適な治療法を選択することが大切です。

インティマレーザー治療の注意点と副作用

インティマレーザー治療は比較的安全な治療法ですが、いくつかの注意点や起こりうる副作用について知っておくことが大切です。

治療後に起こりうる症状

インティマレーザー治療後に起こりうる症状としては、一時的な軽度の腫れや赤み、おりものの増加、かゆみなどがあります。これらの症状は通常数日以内に自然に改善します。

研究によれば、インティマレーザー治療による有害事象(副作用)は3%未満と報告されています。Gambacciani先生らの研究では、有害事象による治療中止は3%未満であったと報告されています。

ただし、稀に感染や出血などの合併症が起こる可能性もあります。治療後に強い痛みや出血、異常なおりものなどの症状が現れた場合は、すぐに医師に相談してください。

治療後の注意事項

治療後は以下の点に注意することが推奨されています。

まず、治療後3日間はタンポンの挿入や性交渉を控えることが推奨されています。これは、治療部位の組織が完全に回復するまでの期間を確保するためです。

また、治療効果を最大限に引き出すためには、医師の指示に従った術後のケアが重要です。保湿クリームの使用や骨盤底筋体操などが推奨されることもあります。

さらに、効果は永続的ではないため、定期的な治療が一番効果的とされています。効果の持続期間には個人差がありますが、一般的には1年程度とされており、効果を維持するためには年に1〜2回程度のメンテナンス治療が推奨されることもあります。

治療を受けられない方

インティマレーザー治療は多くの方に適していますが、以下のような方は治療を受けられない場合があります。

  • 妊娠中の方
  • 活動性の感染症がある方
  • 治療部位に傷や強い炎症がある方
  • 光感受性疾患がある方
  • 悪性腫瘍がある方
  • 出血性疾患がある方

また、重度の尿失禁や骨盤臓器脱がある場合は、インティマレーザー治療だけでは十分な効果が得られないことがあります。そのような場合は、手術などの他の治療法と併用することが検討されます。

治療を検討される際は、まずは医師による詳細な診察と相談を受けることをおすすめします。

インティマレーザーと他の治療法の比較

インティマレーザー治療は、女性特有の悩みに対する様々な治療法の一つです。他の治療法と比較して、どのような特徴や利点があるのでしょうか。

従来のレーザー治療との違い

従来のCO2レーザー治療(モナリザタッチなど)は、粘膜表面にダメージを与えて細胞再生を促すため、痛みとダウンタイム(回復期間)が長い傾向がありました。

一方、インティマレーザーは独自技術により粘膜表面を傷つけずに粘膜下層へ熱エネルギーを与えることができるため、痛みが少なくダウンタイムも短いのが特徴です。

また、研究によれば、インティマレーザー(エルビウムYAGレーザー)はGSM症状の改善効果が長期間持続することが示されています。Gaspar先生らの研究では、レーザー治療群ではGSMの症状が18ヶ月後まで有意に改善したのに対し、エストリオール群では6ヶ月後まで改善がみられたものの、12ヶ月後には効果が減弱したことが報告されています。

骨盤底筋トレーニングとの併用効果

骨盤底筋トレーニング(ケーゲル体操など)は、尿失禁や骨盤臓器脱の予防・改善に効果的な方法です。インティマレーザー治療と骨盤底筋トレーニングを併用することで、より高い効果が期待できます。

当院では、インティマレーザー治療に加えて、最新の磁気治療技術である「HITS™高密度テスラ磁気刺激システム」のスターフォーマーPro(STAR FORMER Pro)も導入しています。

スターフォーマーProは強力な磁気の力で筋肉や神経を刺激し、座っているだけで30分で5万回の筋肉運動を可能にし、骨盤底筋や体幹の筋肉を鍛えることができ、同時に神経刺激による膀胱機能の改善や慢性疼痛の改善を促します。インティマレーザーとスターフォーマーProを組み合わせることで、尿失禁や腟の緩み、GSMに伴う慢性的な違和感・痛みなどの症状に対してより効果的なアプローチが可能になります。

まとめ:インティマレーザー治療で女性のQOL向上を

インティマレーザーは、女性特有のデリケートな悩みに対する効果的な治療法です。尿漏れ、腟の乾燥感や緩み、性交痛、外陰部の黒ずみなど、様々な症状に対して効果を発揮します。

従来のレーザー治療と比較して痛みが少なくダウンタイムも短いため、忙しい女性でも受けやすい治療法です。また、ホルモンを使わない治療なので、ホルモン補充療法が難しい方にも適しています。

研究によれば、インティマレーザー治療はGSMのすべての症状(乾燥感、性交痛、掻痒感、灼熱感、排尿痛、尿意切迫感、頻尿)および尿失禁に対して効果があることが示されています。また、生活の質や性機能、全体的な性的満足度も有意に改善することが報告されています。

女性特有の悩みは、誰にも相談できずに一人で抱え込んでしまいがちです。しかし、適切な治療を受けることで、日常生活や性生活の質を大きく向上させることができます。

当院では、患者さん一人ひとりの症状や希望に合わせた最適な治療プランをご提案しています。インティマレーザー治療に興味がある方は、まずはお気軽にご相談ください。

詳細は皆川クリニックのウェブサイトをご覧いただくか、お電話でお問い合わせください。女性の健康と笑顔のある人生をサポートするために、最新の医療技術と丁寧な診療で皆様をお待ちしております。

【著者情報】

皆川真吾

(医学博士、泌尿器科学会専門医・指導医、CVP(接触式前立腺レーザー蒸散術)プロクター)

埼玉県出身。

平成13年秋田大学医学部医学科卒業、平成17年秋田大学医学部医学研究科大学院卒業、医学博士号取得。虎ノ門病院、NTT東日本関東病院、聖路加国際病院、東京腎泌尿器センター大和病院、行徳総合病院での勤務を経て、令和2年に皆川クリニックを開設。

日本泌尿器科学会、日本泌尿器内視鏡学会、日本抗加齢医学会、泌尿器抗加齢医学研究会、GSM研究会、日本女性骨盤底医学会、日本メンズヘルス医学会、日本美容皮膚科学会に所属。

最新のレーザー治療や磁気治療技術を導入し、患者様の生活の質向上を目指した診療を行っています。

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